文禍論
これはつい最近の話なのですが、亡くなった父方の祖父の遺品整理をしていたら、なにやら珍妙な古書物?を見つけました。
書物とは一応そう書いたもののそう言うにはあまりにもお粗末な装丁で、数枚の紙を紐で綴じただけの薄さも相まって、より正確に述べようとするのなら、たとえば細々と流通している同人誌のような印象を覚えたと書いておけばとりあえず近いイメージを喚起しやすいかと思います。啓蒙を目的として頒布されたものだろうかと思うのだけれど、特に値段も書かれていないと。表紙には筆書きであろう『文禍論』とかろうじて読める奇妙な字が踊っていまして、少し開いて文面を読むと字体がやや古めかしい事がすぐわかった程度、時代が特定できるほどでもなく、また巻末には発行元も記載されていませんでした。読もうとしてみると、これがまた、とにかく目がちかちかするので困ったのでした。何を言っているのかはそのうち解ると思います。
で、遺品の処遇は自分に一任されていたのでなにやら良さそうな物があれば勝手に頂戴しても別に良いとの話だったし、実際少なからない量の遺品をそうしたのだけれども、この書物の処遇にはちょっとだけ思案しました。書き殴られた筆文字から感ぜられるなにやら湿った嫌な情熱はそばに置いておきたい種類のものではなかったし、このまま捨て置くには修辞があまりにも喧しいので、これは手に負えんと祖父に訊いてみようと思ったけれど、そういえばもういないんだったっけなと思ったのでした。
結局はどうなったのか、その顛末としてこの文書がここにあるのだけど、仰々しい言い方を選べば電子化することにしたのであって、つまりはtxtファイルに起こしててきとうに電網の海に放流することにしたのでありました。この本の著者の意志を尊重するつもりは毛頭ないのだけれど、これからの可能性未来のなかで、不特定の誰かの琴線にこの珍妙奇天烈な文章のなにかが触れるのであれば、まあ、こんな紙にされた哀れなどこかの木の怨念くらいは晴れるでしょうか。
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アウェーキング・オブ・ラブライブおじさん
矢澤にこ誕生日記念のSS
(私が矢澤にこちゃんの誕生日に合わせるようにして書き上げた、ラブライブ!の二次創作の妄想小説です)
「あ~~!もう!雨降りすぎだよ~!」
アニメ「ラブライブ!」は矢澤にこの物語であることを私が主張するいくつかの理由
はじめに
アニメ版「ラブライブ!」が2013年一月に放映開始され、先日最終回を迎えた。私は最終回を見て、アニメ版「ラブライブ!」は矢澤にこの物語であると確信した。
その理由をこれから述べていくにあたって、ひとつ注意すべき所がある。電撃G'sマガジン誌上で展開されている読者参加型企画「ラブライブ!」とアニメ版『ラブライブ!』にはキャラクター設定にいくつかの差異がある。そもそもラブライブ!のオリジンは誌上版のほうにあり、アニメは公式ではあるものの、企画自体は後発のもので、アニメ以前にも誌上版でラブライブはボイスドラマCDや誌上でのある程度ストーリー性を持った連載など独自の展開がなされていた。しかし、アニメ化にあたってシリーズ構成に花田十輝を新しく迎えたアニメ版「ラブライブ!」は、ストーリーの構成の都合上、誌上版とは少し異なったキャラクター設定がなされている。アニメ版「ラブライブ!」とその他の媒体で展開されている*1「ラブライブ!」で同キャラクター間でも設定が食い違う事があり、私が多岐にわたるラブライブ媒体のなかからあくまでアニメ版のキャラクター描写を参考にするのは、そういう理由があるからである。*2
本稿ではその前提を踏まえた上で、アニメ版「ラブライブ!」(以下「ラブライブ!」)は矢澤にこの物語であると私が確信した理由を述べていく。
*1:例えば漫画版は、公式でありながらもアニメや誌上ともまた違った設定になっている。
*2:私が、アニメ版ラブライブからラブライブを知ったので、雑誌が中心となるアニメ以前の資料を殆ど入手できなかったのも大きな理由、というかそれが本理由。